すべての権利と義務が相続財産
相続財産には、相続人が生前に保有していたすべての権利義務が含まれます。
プラスの財産として、現金、預金、手形・小切手、株、不動産などがあります。またローンなどの借金もマイナスの財産として相続されることになります。プラスの財産よりも借金の方が多いことが明らかである場合など、相続したくない場合には「相続の放棄」をすることも可能です。
ただし、親権や扶養請求権などの身分上の権利は相続財産とはなりません。遺言を書いたり、遺産分割協議をする場合にはまず、どれだけの財産があるのかをしっかりと調査し、認識しておく必要があります。
生命保険金 被相続人が自らを受取人と指定した場合には、当然に相続財産となります。そうでない場合には受取人の固有財産となります。
死亡退職金 会社との内規にもよりますが、元来は遺族の生活保障を目的としているため、遺族は相続とは別の固有財産として取得することになります。ただし、他の相続人との関係で特別受益とみなされることがあります。
慰謝料請求権 かつての判例では被相続人の一身専属権であるとして認めていませんでしたが、現在では被相続人の意思を尊重すべく、慰謝料請求を本当ならばしたであろうという事情があれば、これを相続するものとされています。
特別受益・寄与分によって相続財産の算定に変動が!
相続財産の評価方法
相続財産を分割したりすることの前提として、それぞれの財産価値を把握しておく必要があります。このことは遺言を書く場合にも必要となります。ただ実際、それは容易な話ではありません。現金や預貯金だけなら問題も少ないのですが、不動産や自動車、骨董品などは・・・?以下に主な財産の評価方法をまとめてみました。これはあくまで当事者間で評価をめぐって話し合いがつかない場合のものであって、当事者が任意に決める分にはまったく問題がありません。ただし、不当な対価で取得させることは」贈与とみなされることがありますので注意が必要です。
不動産
(土地) 時価評価
路線価のある地域では路線化方式により、ない地域では固定資産税の評価額に一定倍率をかける倍率方式によります。
(建物) 時価評価
固定資産税の評価額に一定倍率をかける倍率方式で計算します。
(借地借家権)
上記の方法で算出した価格に借地借家の一定割合をかけて評価します。

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有価証券
上場株式の場合、死亡日の終値か直近の平均値のうち、低い方の額による。非上場株式は、手続きが複雑になるため、実際は税理士などの鑑定による。 
動産(自動車、美術品など)
専門家の鑑定を仰ぐことになります。
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