「遺産分割協議書」で後日のもめごとをシャットアウト
遺産分割の話し合い(遺産分割協議)は成立すればただちに効力を生じ、本来は書面の作成を要するものではありませんが、実際問題としては後日の紛争を避けるための証拠書類として、「遺産分割協議書」を作成しておくことになります。また、これとは別に遺産の具体的な内容を記載した目録も調整しておきます。
遺産分割協議書は相続人の人数分作成し、各自がそれぞれの責任で保管しておくことになります。(「遺産分割協議書」は不動産登記を申請するための必要書類ともなります)
遺産分割協議に臨むにあたっての心構え3か条
相続人それぞれの立場や現況、心情を理解しましょう
亡くなった方(被相続人)の遺志を把握しましょう
権利を主張する前に、相続人としての義務を理解しましょう
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各相続人がそれぞれ権利を主張しあうだけでは話し合いは単なる「ケンカ」の場と化してしまいます。得られるものがあればそれに見合うだけの何らかの負担も覚悟しなければなりませんし、主張する側と同様に他の相続人にも各自の立場や言い分があります。
お互い譲り合いの精神がなければまとまるものもまとまりません。協議に臨むにあたって、そのことは十分に心得ておきましょう。
遺産分割協議をする前に必ず確認しておくこと
遺言書はありますか?
相続人は戸籍で確実に調査してありますか?
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遺産分割協議が成立した後、それと異なる内容の遺言書が発見されれば、遺言書の内容が優先し、その限りにおいて遺産分割協議は効力を失います。
また、戸籍上相続人である人を除いて協議が行わrた場合、その遺産分割協議は無効です。戸籍を調べると、予測もしない相続人が発覚することもありますので、確実に調査しておくことが要求されます。ただし、子の認知をする遺言により、分割協議の後に相続人となった人については遺産分割の無効を主張することはできず、価額による補償を請求することができるにとどまります。
遺産分割協議がまとまらないときは
どうしても遺産分割協議がまとまらない、または行方不明者がいたりして遺産分割協議ができない、という場合には以下の最終手段によります。
調停 当事者同士の話し合いで決着がつかない場合には、家庭裁判所へ遺産分割の調停を申し立てることになります。調停というのは、当事者が家庭裁判所へ出向いて調停委員の前で改めて事情を聞いてもらいながら、妥協線を見出していくものです。話がまとまれば内容を調書に書き留めてもらって調停成立となり、確定した判決と同じだけの効力が生じます。 
審判 調停による話し合いがまとまらなかった場合には、自動的に遺産分割は審判手続きに移行します。審判とは家庭裁判所が行う裁判のことで、審判に対し、2週間以内に当事者からの異議がなければ審判は確定し、確定した判決と同じだけの効力が発生します。
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